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コーポラティブハウス 魚崎市場の再建の建築事例写真
コーポラティブハウス 魚崎市場の再建
株式会社 建築・都市設計インタースタディオ

コーポラティブハウス 魚崎市場の再建

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木造連棟長屋だった魚崎市場は阪神大震災で全壊し、犠牲者もでた。もとは18人の権利者であったが、参加する者、断念する者、離脱する者、新たに参入する者(権利を買い取る者) などさまざまな展開を経て、最終的には2店舗と住居14世帯の計16名の権利者が再建に踏み切った。 これまでの経緯から必然的に、全員の協力のもと、コーポラティブ方式によって店舗併用型共同住宅を再建することになった。
 もともとは建築家の同志のボランティア活動が発端となっていた。 前面道路は計画道路になっていたため、震災を好機として神戸市は買収を急いだ。 また、うなぎの寝床状の地割りでは、放置しておけば道路に面する敷地の権利者だけが単独で再建し、残りの権利者すべてが再建する術を失ってしまう危険性が高まっていた。 さらに全員が借地権者であったため、2名の地権者から権利変換の交渉を行なう必要があった。 合意形成と所有権への権利変換が整ったのは震災後2年半経過後であった。 土地は以前の半分以下になっていた。
 公的資金による個人補償が一切なしの状況下で、我々は優良建築物等整備事業という平常時の補助事業を利用した。 デベロッパーや建設会社の後ろ盾なしで、住民と有志専門家たちだけの再建だ。 優良建築物等整備事業の条件として、建ぺい率を通常より20%低くしなければならない。 暗に高層化を推奨しているのである。 我が国の常であるが、都市全体のビジョンがないまま、高層化が優良だと決め付けている。 しかし、人気の高い阪神間の住宅地帯である周辺環境を見れば、高層化を抑制すべきであることは明白だと感じた。灘の酒蔵灘五郷の一つ魚崎郷の地でもあるので、そのイメージを保ちつつなるべく低層化を心がけた。
 住民14者との個別打合せを重ねる中で、一般的な分譲住宅の画一的平面計画及び内装計画がいかに一般居住者の希望と食い違っているかを実感させられた。 一例として、標準仕様をビニールクロスにしていたが、一方で我々はオプションとして、ビニールクロスやベニヤ材の排除と国産木材(ムク材)を提案していた。 多くの方が我々の提案に賛同し、オプション契約を行うことになったことが印象深かった。 
 現在も東北の地において同様のすれ違いが生じているだろうことを思うと胸が痛む気持ちである。

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株式会社 建築・都市設計インタースタディオ

笹木 篤

設計事務所会員
設計事務所会員とは
主に建築物の設計監理や建築デザイン等を行っている建築設計事務所や建築家を示します。
通常営業中です
竣工年
1999
部屋数
指定なし
家族構成
指定なし
構造
RC造
敷地面積
300㎡以上
延床面積
300㎡以上
外壁仕上げ
コンクリート打放し
屋根仕上げ
ガルバリウム鋼板
内装仕上げ
杉、桧、ペンキ、クロス、など
床仕上げ
桧縁甲板、フローリング、など
住設メーカー
TOTO
建ぺい率
60
容積率
220
予算帯
5000万円以上
所在地
兵庫県
ロケーション
住宅地