【メッセージ】
・家づくりについて
パソコンとインターネットによって、私たちの暮らしがデジタルに変わってきました。好きな音楽の世界もレコードからCD、配信へと姿を変えて、音そのものから、温かみや奥行きが感じられなくなりました。
建築のデザインも、表面的なかたちやコンセプト、箱型の平板さが主流になって、奥行きや翳り、深みといったアナログ感覚が薄れてきたように思います。
人の住む住宅は、はじめに、かたちありき、コンセプトありきではなく、目に見えない家族のかたちや気持ち、本人たちの気づかない要望などを、きちんとくみ上げて、創るべきものと考えています。
・設計コンペについて
実際に敷地を拝見することが前提なので、自ずと近い場所に限られていますが、知らない場所に建つことを、いつもわくわくしながら、提案しています。自分のココロの栄養にもなってくれています。
・仕事のすすめ方について
設計の結果としての「よい家づくり」においては、あくまで個人の設計者が責任を負うものです。クライアントの皆さんの、大切な予算を使い、かけがえのない財産としての「家」を創り、次の世代へ残す。その責任をまっとうするために、世代の違う父と家内に、違う視点からの助言をもらっています。現場屋として、施工サイドから見る、父の視点と、家内の、家事や女性からの視点を得て、独りよがりにならない設計を心がけています。
・これからの家の設計について
環境の世紀といわれる今、懐の深い奥行きを持った家を、出来るだけ簡素に創り続けていきたいと思います。そのために、設計者に求められるのは、本物のエコ。使う材料や素材、設備がその生産から、家に使われ、取り付けられ、住まいとして在り続けるまで、総合的に見て判断する能力が必要と考えています。
移り変わる社会から、求められる仕事を追求する、私達の設計力を
、より生かすのは、クライアントの方々の見識だと思います。
黒子としての、設計者を操る表舞台へ、ご登場お待ち申し上げます。
【プロフィール】
1963 鎌倉生まれ
1985 日本工業大学 工学部 建築学科卒
1985 株式会社 加藤建築研究所 入社
1990 有限会社 IAM綜合設計 入社
1998 K設計室一級建築士事務所 設立
粕谷 秀樹 一級建築士 特殊建築物等定期調査技術者
粕谷 秀男 一級建築士 一級建築施工管理技士
粕谷 今日子 色彩心理インストラクター