【メッセージ】
私の考える空間というのは、そこに存在する必然性がある空間です。
そのためには、その土地がもつ気配のようなものを敏感に感じ取ることが重要です。都心部で住宅をつくる場合、感性を刺激するような環境とういものが少ないのが現状です。住宅が密集していたり、環境自体が劣悪であるため、何をヒントに設計して良いかわかりにくい場合が多いです。そのような状況下でもかすかなヒントを見いだすことができるかがポイントになります。
住宅の場合、同じ場所で40年、50年と生活が続きます。
ですからその地域や周囲の人々とともに素敵に歳をとっていける建築をつくっていかなければなりません。
素敵に歳をとるといっても、整形ばかりして80歳になっても皺ひとつない人は逆に不自然ですよね。建築も同様で、いつまでも新築の状態のままではなく、笑い皺のたくさんあるおじいさん、おばあさんのような素敵な歳のとり方のできる住宅をつくりたいと思っています。
クライアントの方々との打合せは、物理的なものをつくるためだけの話し合いをするのではなく、生活のスタイルを一緒につくるようなスタンスで考えています。
また、人々には五感があります。
現代人は視覚にたよりすぎているように思われます。
もっと他の感覚、人間の持つ五感をすべてを使って生活していけるような空間も一緒につくっていきたいと考えています。
【プロフィール】
筒井紀博(本名:筒井潤)
一級建築士 第306743号
1972:茨城県生まれ
1995:日本大学理工学部海洋建築工学科 卒業
1995-:石井和紘建築研究所
1998-:平野智司計画工房
2002:筒井紀博空間工房 設立
日本建築学会正会員
一級建築士事務所 東京都知事登録48595号