都市なのに、静かで緑豊かな場所。古い家もありちらほら新しい家もある、しかし少し忘れされれた感じのある、そんなどこの街でもある敷地です。敷地は4.5mの丘の上にあるため、北側では擁壁の上に家が立つ状態で圧迫感があります。それ故に周囲の人や環境とどのように繋がり、どのように建物が接するか、その距離感+存在感が重要であると考えました。周囲とより良い距離感+存在感を作り出すために、住まいをいかに開いてまた周囲と繋げるのか考慮しながら計画を進めました。建物は東側の境界線上にそって、北側の前面道路にたいして角度をつけて配置しました。建物の北側前面全体に縁側のような上下に行き来できるベランダをもうけました。このベランダは内部と外部の距離感を調節するフィルターとなっている。ベランダの壁にある開口部越しに映る生活風景は自然な距離感で周囲の人たちと繋がりを深めていく事が可能です。またここに、2カ所あるベランダを通っての玄関へのアプローチ、外部階段、収納、網目状に張られた縄ネットで子供たち遊べる場所、くつろぐ場所などを置き、すべての部屋からベレンダにアクセスできることで、能動的にベレンダを一部の部屋として使われるようになる。また床をグレーチング状にして上から下まで、一つの連続した空間の中に人の気配を感じられたり、プライバシーを確保できたり、住まいの中に様々な距離感を生んでいます。本来、外と内を隔てる壁であった場所に空間が生じることで、室内が外に近いところまで拡張します、個々の部屋はちいさながらも外部を感しる空間を作り上げています。
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