・新潟県十日町市鉢集落、真田小学校。
2005に廃校になった、この小さな木造小学校を改修し『鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館』として、2009年7月にオープン。雪が厳しい冬季をのぞいた、春〜秋、開館しています。
・絵本作家・アーティストの田島征三氏による「学校全体をまるごと絵本にする」という構想のもと、2009年夏の『大地の芸術祭・第4回越後妻有トリエンナーレ』に向けてリノベーションを行いました。
時を経た木造校舎の良さを活かし、この学校が持つ透明な明るさを引き継ぎつつ、新たな用途・展示にあわせ、個々に性格を持たせた空間を提案しています。
・木製建具や漆喰仕上の学校らしさはそのままに、1階カフェや図書室については、照明を工夫することなどで、新たな、各室の表情を持たせました。
カフェの家具は、征三氏の長男で造形作家の田島燃氏が、生徒達がつかっていた机と椅子のフレームを利用して、特別に製作したもの。ワークショップルームでは、再利用した蛍光灯をランダムに吊り、床に土を入れる試みをしています。夏には草むらが茂ります。
・2階展示室では、天井裏に隠れていたトラス組の小屋組を見せ、黒板だけを残して上部・左右の土壁を取り払い、2教室ずつをつなげることで、懐かしい教室の空気はそのままに、広がりをもった展示室として、田島氏の作品展開に応えました。
物語の道しるべとなる木の実のオブジェが、高く高く束の間をのぼり、大きな和紙や流木作品が梁から吊るされ、来館者は、真田小の最後の在校生3人を主人公とした立体絵本の世界に、身体ごと入っていきます。
田島氏が30年間抱いていたという「空間絵本」の構想が、現実のものとなりました。
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