『ひろしま建築文化賞』 大賞 受賞
『日事連建築賞』 奨励賞 受賞
傾斜地であり雛段状の地形。用途地域は第一種低層住居専用地域。
一言で言えば『難しい地形』を逆手に取り、この土地での最大限の美しさを追求した。
法的規制をクリアしつつ、この土地が持つ性質と風土を残す建築とするため、めいっぱいの情熱と忍耐力を費やした建築である。
緑豊かなる鎮守の森を背後に西方に市街地を眺めるべく開かれた傾斜地であり、史歴のある石塁によって築かれたひな壇上の地形は今日の近郊住宅地として、癒し性の高い環境立地性を持つところである。
ここに接地性の高い低層集合住宅を計画する。
歴史ある戸坂の地にかつての村を想わせる「絆」という12戸の集合住宅は、中央のボイドなスペース[サンクンガーデン]で東,西,南,北に豊かな方位性を得て四つのテイストを持つ住戸を連結する。古典的な中庭を持つコートハウス形式は四つのスタイルに機能的に文節され、各空間の流れと連体する二つの垂直動線と水平コリドールの二つのアルコーブはそれぞれに対話を深めながら生活を豊かなものとする。
サンクンガーデンは光の遊び場を創りたかった。風と光を集め、繋がりあって共同体の生活に刺激を与える。創造や潤いを生み出す力を持つ外部空間であり、みんなの内部空間化を意図する。外部との精神的・物理的距離を設定する上で、大きな意味を持つことになった。
下岸建設株式会社
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