※こちらは改装部分です。
建て直し部分はこちらをご覧ください。
http://www.houseco.jp/work/detail/14517/162567
この建物は、昔からの町屋で間口7.6m×奥行き約60mの南北に長い敷地で、隣りの家の外壁とは隙間が無く建ち並んでいる。そして、大きく四つの建物で形成されていている。
今回は、中央の二つの建物が古くなったことと、それに合わせて若いご夫婦がお母さんと同居をするための住居を建てたいとの依頼であった。
今回、この中央の二つのうち母屋側(北側)の既存建物を改装した。
この建物には趣のある茶室が存在していた。茶道がご趣味であった施主のご祖母が生前つくられたものだと言う。
そこで、この既存の茶室、そして茶室から望む中庭・通り庭・裏庭、路地を活かす計画とした。
薪ストーブのある土間部分は、既存の茶室との繋がりを意識し、茶室の持つ存在感に負けない空間を自然素材(塗り壁・石盤・木)の持つ素材感によって作り出し、外部に目を向ければ、通り庭と、土間から茶室を抜けて見える中庭がそれぞれ異なった景色を見せてくれる。
それぞれの庭に異なった意味合いがあり、それをこの土間・茶室が繋いでくれるように・・・
ここへ、家族が集まれるスペースをつくり更に、外部へのアクセスをと考えた。そして、既存茶室の活用を促した。
長屋づくりだからこそ、考えなければならない、路地・庭(それぞれの)を現代の家づくりにどのように活かすか?
そして、既存の建物が持つ意味をどう解釈し、新たな空間として生まれ変わらせるのか?
魅力的で安心・安全な暮らしを実現する為には、単に新しい間取りにし綺麗にするのではなく、そこにもともと存在している
要素を、新たな解釈で再利用し生まれ変わらせるということ。そして意識的に身近に感じられるということ。
住む人にとって馴染み深い要素は、安心をもたらし愛着を生む。そしてより建物が魅力的になっていく・・・そのようなことを活かす建物を目指した。
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