敷地は枚方市光善寺駅から北東の高台にあり、敷地内には老朽化した母屋と離れ、これまで大切に育ててこられた沢山の樹木、そして高台の街の風景がありました。今回、御両親が離れに移るためのリフォームと、母屋の跡地に実家に戻ってくる子世帯の新居を作る計画でした。
高台からの眺望や敷地内や街の豊かな緑を、この家族だけでなく街の人々と共有すること、2世帯の距離感を再構築することをテーマとしました。
建物をリビングやダイニングが収まる南北に大きなボリュームを中心とし、その東西に寝室やユーティリティーなどの小さな4つのボリュームが付加される平面構成としました。建物の分節化により外部空間が凸凹し、遠近双方の距離感で街と繋がり、また、各ボリュームの屋根の勾配の向きを互い違いとし、住宅地にふさわしいスケール感と、交差した屋根や外壁上部のガラスを通過して街への視線が抜け、眺望を確保しました。
リビングダイニングからは、南側の大開口と西側のポーチ越しに、豊かな緑と眺望を楽しむ事が出来ます。離れに面した北側の個室はご両親が気軽に訪れ易い様に、子供室や和室を配置し、開口部の位置や大きさを操作し、プライバシーを守りつつ、離れを含めた敷地全体での家族の住まい方に配慮しました。
新旧の住まいの対比と調和の中で、街と人と家族の新たな関係が育まれる事を期待しています。
最初にクライアントにお会いしたのは約10年前。私が設計した住宅の内覧会にお越しいただいたのが最初の出会いでした。その後、土地を探される間にも私が設計した住宅の内覧会に5件ほどお越しいただきましたが、土地が見つからず、新築を断念され、京都のマンションを購入され入居されました。その後も年賀状のやり取りは続けており、数年後、私の設計した住宅に住むのを諦められないとのことで連絡がありました。とても嬉しかったです。ご主人のご実家の土地に建築させていただくことになりました。10年後の夢が叶い、現在も生活を楽しんでおられます。
工務店:西友建設株式会社
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