通常2階にリビングを置くプランは、明るく開放的なLDKとなる一方で、1階にその分のしわ寄せが生じます。また平面の中央に階段を配する案は、全体の動線がコンパクトに収まる一方で、広々とした空間が確保し難い傾向があります。この住宅ではその両方を採用し、更に階段真上をトップライトにすることなどによって、それらデメリットの解消を試みました。だから一見どこにでもありそうで、あまり見かけないにプランになったかもしれません。
施主のMさんは建築デザイン全般に対する造詣が深く、空間に対する光のあり方に鋭敏で、よってこんなちょっと変わった?空間構成の提案に対しても深くご理解いただき、受け入れていただいたように思います。住まい手はそんな方でしたので、ステップアップするデッキテラスや、ピクチャーウインドウ前の造り付けのソファー、木製サッシ廻りの納まりなどの細部に至るまで、こだわりを持って色々なテーマに挑戦した住宅となっています。
センター階段/その上部のトップライト/2階の回遊動線
プラン中央の階段上部をトップライトとすることで、1階まで光が降り注ぐ構成としました。また、動線計画的にも非常にコンパクトにおさめることができます。
上記で説明した構成は、彩光や動線的に効果があるだけでなく、空気の流れ的にも非常に有効です。(トップライトは電動で開閉)
バウムスタンフ(施工・藤沢市)
野村基建築構造設計