この計画は、地元に戻り歯科医療を提供したいと考えている歯科医のための自宅を兼ねた歯科医院である。
施主からの要望は、地域に根ざすため職住一体の建物であること、そして、診療所は患者さんが恐怖心を抱かないよう優しい空間にしてほしいということだった。
敷地は、最寄り駅から徒歩圏にあり周囲は昔からある住宅街である。前面道路は周辺地域の生活道路となっており交通量が多かった。
前面道路は、交通量が多いだけでなく交差点に近接しており敷地前面に車両が停車した。
この通行車両に対して広告効果を狙い建物自体が看板になることを目指した。
ファサードに設けたルーバーにより、建物に個性的な表情を与えるとともに、診療所と住居という異種用途の存在を覆い隠しながら一体化している。また、このルーバーは、強い西日を適度に遮るとともに、前面道路や周囲からの視線を遮る役割を果たしている。
診療所は、施主のライフスタイルに合わせ住居部と同様の仕上げとし、閉鎖的になりがちな診察室は、敷地の形状から発生した余剰スペースに植栽を配し下地窓により室内外を繋げ外部への広がりを持たせている。また、この連続する下地窓により、診察台に座ると浮遊感を感じられ診療を受ける患者に安心感を与えている。
この歯科医院は、個性的な外観により認知され、親しみやすい施主の人柄と理想とした優しい空間により、来院する人達の評価を得ている。
建物が看板になるクリニック併用住宅
有限会社 青砥工務店
株式会社 野村基建築構造設計
資料請求にあたっての注意事項