■変形地に建つ小さな家
丘陵地を上る通りから少し入った一角にある。
実家である3階建てRCのキューブと、大きなマンションとの隙間にあり、まさに谷間のような場所で、変形した旗竿地であった。
隣地には雑木林が残っており、加えてマンションの公開空地が出来たことで、谷間でありながら、緑豊かな借景がひろがっていた。
実家との関わり方を意識した計画をしており、L字型の配置とすることで、将来の増改築時には、しなやかに繋がる可能性を考慮している。
正面間口2.13mの小さな板張りの外観からは想像しにくいが、建物の隙間にできた路地空間を抜けたところに玄関土間スペースとしています。板張りの1階には、ご希望であった犬達のトリマー室を設えています。
階段を配置した土間空間は、2階の各室を繋ぐ廊下と共に、全開できる木製建具によって、半外部空間としての機能を意識させ、厳しい敷地形状でありながらも住空間にゆとりを与えている。
主な各室は小さいが、視線が抜けていくようにトップライトや開口部を操作することで、光や風、そして借景の緑を取り込み、小さな住宅であることを感じさせない心地よい空間となった。
シンプルなプランでありながら、無垢の広葉樹、黒皮鉄板、和紙、ベニアといった素材を用いています。素材そのものの経年変化が、内部空間の表情を豊かに彩ってくれます。
写真:絹巻 豊
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