計画地は、都心から40分程と都心へのアクセスも比較的な容易な所に位置し、駅前には商店街が広がっており、周辺環境は道路幅員が2.0m〜4.0m程度と都市のスケールとしては小さい密集地域である。この都市のスケールの中で、高さ、間口、奥行きと都市のスケールの中では大きいこの建物を、都市のスケールを使いながら街との関係性をスムーズに繋げる事を考えた。先ず、アプローチ部分は幅員6.0mと都市のスケールからすると大きく、都市との関係性を分断しているため、両脇に植栽を配置ずることで約3.0mの通路部分とし、都市のスケールを建物までの動線に引込み、都市との関係性をスムーズに繋げながら、植栽が都市との緩衝地帯の役目も果たしている。ファサードデザインは、庇により建物ボリュームが水平分割されている既存の形状を強調することで、建物ボリュームを都市のスケールに近づけ、都市のスケールが小さいこの地域において建物自体が街に寄り添うデザインとしている。共用部分、専有部分は、仕上材に木等の自然素材を多様し、従来型のシェアハウスが無機質な内装仕上にしがちなのとは対照的に、多くの人がどこか懐かしさを感じるようなデザインとし、住まう人が心地よさを感じながら日々の生活をおくることができる快適な空間としている。
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