かつて北国街道の宿場として栄えた町の南端、水田を埋め立てて区画整備された一角に建つ、母親と双子の息子達の住宅。主な要望は「小さくても家族が楽しく暮らせる家」「子供達が自立した後もひとりで不自由なく暮らせる家」というものであった。
法的条件や予算等から自ずと決まってくる限られたスペースに、個々の室をつくって閉じられた内部空間をつくるのではなく、大きな一つの空間の中で個々の居場所をつくっていくことを考えた。
そこで 可能な限り間仕切りや建具を少なくし、下層に母親のスペースを上層に息子たちのスペースを設け、それらを緩やかにつなげる2層のワンルームとした。
一つの空間でありながら床によって視線をコントロールすることで、お互いのプライバシーを守りながらも、程良い距離感を保ち楽しく暮らせるおおらかな住空間となることを目指している。
コストに対する考え方
低予算であったため、施主の要望を叶えつつ如何にコストを押さえるかが第2のテーマであった。
可能な限り廊下や建具・間仕切り等を省き、畳コーナーと主寝室 洗面脱衣と物干しスペース テラスとポーチ等 兼ねられるものは兼ねて、面積を押さえながらも狭さを感じさせない計画とした。
また、納まりを工夫することで安価な材料を用いつつ、それを感じさせない住宅としている。
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