「子どもの成長とともに育てることができる家にしたい」
「子どもが大きくなったときに柔軟に間取りを変えられる家をつくりたい」
家づくりの希望を聞くと、このようなリクエストをよく耳にします。
子どもの成長と共に、子ども部屋が必要になったり、兄弟の部屋を分ける必要が生じたり。綿密な家族計画をたてていても、もうひとり生まれることになった!なんて話もよくあること。
そして、子どもが小学校にあがる頃からでしょうか、気になってくるのが、家の中の勉強スペースのつくり方です。学んだり、新たな知識を習得したりすることを楽しんで欲しいと思うのが親心。
子ども部屋に勉強スペースをつくる?それともリビング?
机はどんなものがいい?
兄弟は一緒がいい?
などなど、夫婦で話し合いはじめることでしょう。
そんなパパママのために、建築家の皆さんがつくった子どもの勉強スペースを紹介してみたいと思います。
1ルームが8LDKに大変身! 家の中にあらわれた巨大な箱の中で、さあ、勉強だ!
夫婦と子ども4人が住む家はマンションの2LDK。子どもたちに個室が必要になってくると、さて、困った!6台ベッドを置くと部屋は、もうそれでいっぱいです。
そこで生まれたアイデアが、部屋を大きなワンルームにして、部屋の中に巨大なボックスを置くというもの。まるで小屋のようなボックスの中は2F建てで、下の階は子どもたちのベッド。そして上の階は勉強スペースに。ひとりずつ仕切られているかと思いきや、上にあがれば、お互いが近い距離で兄弟一緒に勉強することもできます。
スペースの限られたマンションでも、アイデア次第で子ども3人のお部屋が確保できちゃいます!(ちなみにお部屋の中にはもうひとつ箱があり、そちらは夫婦といちばん下のお子様のお部屋になっているとか)
パパやママと一緒にリビング学習!家族みんなのコワーキングスペース
写真は、家の中に小屋をつくってしまう「家の中の小屋」シリーズの、家族のためのコワーキングスペース「co-ba HOME」。リビングにこんなスペースがあれば、ちょっとした仕事をするパパママに、「教えて」と子どもも話しかけやすそう。もちろん、ここで一緒に別々のことをしても◎。リビング学習が自然と習慣化されそうですね。
子ども部屋に、勉強スペースにと大活躍!
ゆるやかにリビングと繋がるスキップフロア
最近の家庭では、家族の息づかいを感じられる、ゆるやかに繋がる空間で子どもに勉強をさせるのが、好まれているようです。その時流にのった子ども部屋づくりにぴったりの間取りが、スキップフロアです。階段を少しのぼれば、子どもの様子を確認することができますし、仕切りもなく声も聞こえやすいから、パパママも安心です。
家の中に小屋、あらわる!つながりと独立性の共存をはかった勉強スペース
こちらもスキップフロアでリビングから一段あがったフロアに子ども部屋を設置したケース。子どもたちの気配を感じられつつも、杉板鎧張りにより、部屋は他のエリアからの独立性を保っています。リビングから見上げると、あたかも家の中に小屋があらわれたような感覚を味わえるようです。
お庭で勉強しよう!リビングに現れた
「にわ」が、今日から僕の勉強部屋
「にわ」と称した、カラフルな床を持つゾーンを家の中に配置したこのおうち。家の中に置いた非日常な空間は、家族が自由に使う事ができます。昼寝をしてもよし、読書をしてもよし。時には家族団らんに。壁や仕切りをつくるのではなく、床のカラーと素材感でそのエリアの雰囲気を変えて、スペースをつくるというアイデア。ママがお料理をするキッチンの目の前に広がるリビングに「にわ」をつくってみましょう。そこが今日から、子どもたちの勉強場所です。
いまある子ども部屋をそのまま生かす。
お勉強の定番アイテムで学びの空間を演出
ふだんと少し環境が変わるだけでワクワク、楽しくなるのが子どもたち。いまある子ども部屋に、勉強机とともに、大きな黒板を入れてみませんか?きっとそれだけで、いつもよりも勉強するのが楽しくなるはずです。
******
ここで紹介したアイデアはほんの一部。家庭ごとにベストな解は異なりますし、建築家の皆さんや、パパママ先輩はもっとたくさんのアイデアを持っています。少し大きな子どものいる、いろいろなおうちを訪問してみるのもいいかもしれませんね。
そして、いまある家で、これから建てる家で、子どもたちをどう育てたいのか、家族がどういう風に暮らしたいのか、そういった事をたくさん話しあってみましょう。その話し合いのなかに、ヒントが隠れているはずです。
勉強好きな子どもに育てたいパパさん、ママさん。
子どもが少しでも学ぶことに興味ありと素振りを見せた時が、その時です。
(あ、家の間取りを変更するのには時間を要します!その期間も想定したうえでスタートしてくださいね!)
関連)簡単に間取りを変えられる「家の中の小屋」
TEXT SuMiKa編集部
※ 2017年3月に追記