室内の『縁』に人が集う
平野西の家-イロツキの家-
敷地は約25坪、間口は5.5mとやや狭め。大阪の下町に「生活と仕事の両方を楽しくする家を」と弟から設計の依頼を受けました。弟の一番のこだわりは、食後に腰を掛けたりゴロッと横になれる「小さな和室」が欲しいというものでした。彼は大学時代に競技スキーに打ち込んでいました。合宿先のロッジの食堂脇には、腰が掛けられる「縁側のような和室」があったそうです。その小さな空間には、夕食後には人が集まり、座ったり、寝そべったりと話の輪が自然に広がっていったという経験からくるものでした。
弟は設計の最中に結婚し、予定より早く勤め先の合同事務所内で独立開業しました。1階は私が借り受け、設計事務所を営業しています。弟夫婦は訪れる多くの友人と共に「家」を楽しんでいます。ゴルフのパットの練習をしたり、寝室とキッチンとで話をしたりと。「縁側のような和室」では、訪れた友人が腰掛けたり寝そべったり・・・。
『縁』に人が集い会話が始まる。「家」にはそんな役割もあると思っています。
「家」は色彩も含めて、ずっと自由なものだと考えています。
この家は、混沌とした街並みに埋もれてしまわない、凛とした表情を持っています。
作品DATA
工事時期: 2003年11月〜2004年4月
所在地: 大阪市平野区 /構造規模:鉄骨造 地上4階建て 新築
敷地面積: 84.6 ? /建築面積: 50.7? /延床面積:156.56 ?
撮影 : 川元 斉
■2004年11月23日 ABCテレビ(6ch)の『きらっと 』で放映されました。
■2005年4月1日発行の『建築家の家本-関西編-』(建築ジャーナル)に掲載されました。
■その他の作品は→ http://www.atelier-m.com/