1964年の東京オリンピックが開催された年に建てら
れた築52年のマンションの一室を、SOHOとしてリノ
ベーションした計画です。住まい手は仕事のために
週の半分を、自宅のある神戸から離れて東京のこの
場所で過ごします。
ここで我々は、既存の柱梁の骨格を活かして空間に
回遊性を持たせつつ、そこをやわらかく二つに分け
ていく事を考えました。
一体の空間でありながら、片方は既存の仕上げを剥
がして躯体が現れていくのに対し、もう片方は深い
赤味を帯びた温かな表情のラワン材を用いて丁寧に
設えていきます。
このようにして硬質なワークゾーンとやわらかなプ
ライベートゾーンが同時に立ち現われ、それが細や
かなディテールと操作によって、ゆるやかに繋がっ
ていくよう意図しました。SOHOに求められる働く事
と寛ぐ事がうまく同居できる豊かな場を目指してい
ます。躯体に織り込まれた歴史と時間を肌で感じつ
つ、ONとOFFの状態を楽しく選びながら過ごしてい
く事を期待しています。
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