閑静な住宅地に建つ地上2階、地下1階建ての小さな2世帯住宅です。両脇のRC壁の間に木造の架構が構成され、1階と地下階が夫婦、2階がその母の居住空間となっています。3台の車を並列に駐車できるようにとの要望をみたすために、この建物の配置は決定されましたが、残された部分を2世帯住宅として如何に構成するかが設計のテーマでした。
ここでは、玄関と階段室が一体となった開放的な2世帯の共用空間から、各世帯のプライベートな場へとゆるやかに移行するように全体を計画しています。外部に対して非常にオープンな場を与え、住人にパブリックな意識を持たせることで、2世帯の区分と交流が自然に行われることを期待したのです。
また、そこには「塀で囲まれた家々が続く閉鎖的な住宅地に、異なるものを投企したい」という私の欲望も反映されています。事実、この住宅のオープンな外観は、付近に何らかのいい影響を与えているように思っています。
掲載誌:「30坪のデザイン住宅」/マーブルトロン
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