この住宅は、熊本新港に程近い静かな田園地帯の集落の中にあります。 定年退職を数年後に控え、これまで転勤族だった建て主さんが、これからの人生を豊かに幸せに暮らすために、また年老いたご両親のお世話をする為に自邸の新築を考えられました。
敷地はご実家の広い庭だった場所で、南側と東側が道路に面した角地となっています。 配置計画としては、生活道路として人の行き来が多い南側道路面をできるだけ閉ざし、北側に建っているご両親の住宅に向って開く形としています。また敷地に沿って建物をL型にし、西日を遮りながら中庭をつくり、新旧の住宅でコートハウス的な空間を創ろうと考えています。既存樹木であるハナミズキを中心とした中庭を囲んで、家族がいままで以上に仲良く幸せに暮らすことを期待しています。
内部空間は、朝日や南西からの海風の取り込みを意識しながら必要最低限の部屋を作り、統一感のあるシンプルでプレーンな仕上げとし、室内でもコンクリート造独特のシンプルモダンを感じられるようにいています。特に一日の大半を過ごすリビング・ダイニングは、吹抜けや大きな開口部を造り、開放感のある気持ちのいい空間となっています。またこの空間は音楽を聞く事が趣味の建て主にとってリスニングルームでもある為、吸音の為の有孔建具や除湿型放射冷暖房(HR-C)も採用しています。HR-Cは、除湿を行なうだけでなく音が一切しないシステムなので快適に音楽を聞く事が出来ます。その他、太陽光発電パネルやIHヒーター、エコキュートなどを採用したオール電化住宅でもあります。
大満足されている建て主さんが、この家でこれからの人生を幸せに暮らしていただくことを願っています。