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北原邸 | 北原邸
北原邸
(株)照井信三建築研究所
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敷地はY字状に分かれた道路と遊歩道に挟まれ、建て替える前は2棟の住宅が建っていた。東側に小学校、西側にゴルフ練習場があり、道路と遊歩道に面していることと、小学校の道路側にある桜並木が魅力的であった。建主の奥様は洋服の修繕を仕事としていて、一日中この住宅で過ごすことになるので、仕事場の確保と、仕事を離れたときに気分を解放するために、建築的な仕掛けをしなければならないと思った。
しばしば人は、何らかの行為を通してその建築の空間を強く感じるものだろうと思う。仕事場は通りから見えるようにして、仕事を受注する都合上1階に設けた。主な居住空間は2階から上に持ち上げた。2〜3階の2層分、建蔽率いっぱいに確保されたヴォリュームは、敷地の約半分を東西方向に抜ける外部空間として開放した。床と屋根以外はほとんど開放されたこの住宅の模型を見たご主人は、この案を非常に気に入られた。後に娘さんの話で、ご主人は休日になると家族みんなの洗濯をするマニアだということが分かった。小学校の桜の植え込みあたりからゴルフ練習場に向かって吹き抜ける風と光に満ち溢れた外部テラスに、洗濯を終えた白い乾し物がはためく。この空間をイメージして頂いたのだと思った。架構は、軟弱な地盤からは物理的な軽さと強さ、開放的なヴォリュームからは軽快な印象が求められた。最大5.3mというやや大きめな柱スパンと、2階北側の2mにも及ぶオバーハングのため、水平力関して単にラーメンで対抗するよりも、方杖ブレースを効果的に配置することによって、各部材がより小さな断面でスマートな構成にすることができた。小断面の実質的な軽さの結果、地業接地圧2.63t/㎡と地表面に近い支持が可能になった。方杖ブレースは当初、引張材で計画されていたが、引っ張った方向と反対側にもブレースが必要になってくるため、プランに支障をきたし、圧縮ならば方方向でよいということになり、構造上必要なところとプラン上支障のないところに設けていった。圧縮材というとやたら大きくなる断面を、パイプではなく無垢のスチールロッドを選定することによって小断面化した。
洗濯マニアのご主人とその家族に与えられたこの空間は、一見開放的すぎるようにも見えるが、道路からいったん上がったレベルにより解消され、何よりも風にはためく白い乾かし物に、この建築の空間が象徴されていることを、建て主と供に確認できたことが今回の最大の収穫である。

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照井 信三

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竣工年
1997
部屋数
指定なし
家族構成
指定なし
構造
木造軸組住宅(在来工法)
所在地
東京都
ロケーション
住宅地
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