映画、テレビ、ウェブ広告、あらゆるジャンルの映像制作物の企画や制作をする会社のオフィスの改修工事。
長く居て作業をする編集者、街にくり出してアイデアを生み出すディレクター、時には俳優もこなすマネージャーなど、さまざまなスタッフが集まってクリエイティブなものを生み出す会社です。そんな会社が、賑やかさと落ち着きの両方を持つ通りに面した自由な空気を感じさせる街に居処を決め、私たちに改修の依頼をしてくれました。
建物への要望は、どこでも仕事や食事ができ、そして、打合せと映像撮影ができる場所があることでした。会社と街の雰囲気そのままのすてきな要望だと思いました。
小さな空間でしたが、既に愛らしい玄関扉と通りの気配をふんだんに取り込む木製サッシを備えていました。そこに私たちが施したことは、3枚の薄い腰壁でエントランスと水回りとオフィススペースを緩やかに仕切り、既存の柱をあらわしにしたことだけです。あとは、クリエイティブなスタッフが自由に使いこなしてくれるであろうと期待を込めて。
壁と天井と床の塗装は、スタッフとAtelier Cycleで3日間かけて塗りました。自分たちの手で作業することでオフィスへの愛着はぐっと増したようでした。