住宅街にある約8坪の小さな計画地。施主との話の中で、「大型四輪駆動車を停める場所」「周囲を気にせずくつろげる隠れ家」という二つのキーワードに着目した。車と土地サイズの関係上、敷地目一杯の建築ヴォリュームが必然となる。隣接地ギリギリまで寄る建築の圧迫感を、壁を傾けることで、隣地建物と三角の隙間をもたらし和らげる効果を狙った。同時に建築面積に算入されない庇やキャンティレバー階段を用い、最大限の空間面積確保を図った。開口は周囲の視線に影響されない天井面に設定し、開閉式の大型天窓を採用。天窓は、傾斜する壁により面積が絞られる天井の大部分を占め、光で満たされる空間が生まれた。屋根と外壁を一体的に包み込むディテールは、モックアップによる検討の上熱曲げ加工とし、建築の輪郭を際立たせている。