群馬県高崎市の住宅。計画地は関越自動車道脇に位置しているが緑地帯による緩衝空間により騒音等のネガティブな要因は、それほど感じさせない。それよりも緑地帯の桜が今後、借景となり季節を感じさせてくれる事が想定出来る敷地である。
その様な敷地にIターンで群馬に移住する親子3代、2世帯、6人の為の『暮らす』を考えた。
車は6台、家庭菜園もしたいね、と言うクライアント。
たしかに都心から移住してきたので敷地は広く感じる。
しかし、要望を全て考慮すると建物を建てるスペースが無くなる恐れがでてきた、いくつかのプランと模型を作成しクライアントと話をしていると総2階のプランが良いと思えてきた。
そして、外観はアイコンにもなりうる家型。多くの人が家を書いてくださいと言えば、切り妻の形を書くのではなかろうか?それほど、この形状は普遍である。シンプルであるが家を想像させ安心する形としてはこの上ない形状、しかもローコストの条件にもピッタリする。
総2階にする事により世帯別の各ゾーンがより接し合い、結びつきも強くなった。しかし、結びつきが強くなると、2世帯住宅の宿命が頭をよぎる。
血縁である者同士は許容出来ても、やはり個の間合いは確立させたい。そこで吹き抜けによる相手の気配は残すが、プライベートな場所としても機能するように2階リビングを配置した。
つかず離れずは、いつも難しい。家族の形に決まりはない。はたしてクライアントは、うまくこの空間を使いこなしてくれるであろうか。
家によって不幸になる事は許されない。それをいつも考えている。孫の笑顔が笑い声がこの家族を強く結び付けてくれる事、そして楽しく家を育ててくれる事を願っている。
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