杉並区の閑静な住宅地に建つ住宅の計画です。
南北に長い87坪のゆったりとした敷地の特性を生かし、建物は北側に配置し南側には前庭をゆったりと確保しました。変形した切妻形状の屋根は東側の前面道路に対しては平入りとし、敷地南側に設けた前庭に向かって開いた建物形状となっています。前庭には既存の敷地から移植した百日紅を中心に椿やピラカンサスが植えられ、室内のどこからでも庭の景観を楽しむことができるように計画されています。
各階の構成は1階には吹抜けのあるリビングと機能的なダイニングキッチン、10畳の主寝室と洗面トイレと浴室を配置。北側の廊下とは別に主寝室、ダイニング、リビング間を行き来することができる動線を南側の庭に面して設けています。
2階には前庭の全景を楽しむことのできる半屋外のバルコニーを囲むように2つの寝室。リビングの吹抜けに面した部分には書庫を設け、2階にも洗面とトイレを設けています。1階の天井高さは2.5mを確保。2階部分は小屋裏の梁をそのまま現した勾配天井となっており、面積以上にゆとりを感じることのできる空間となっています。
構造体はすべて製材を用い、4寸の柱と最大4.5mスパンの登り梁で構成されており、力強い架構をそのまま室内に現しています。大きな断熱サッシにはLow-eペアガラスを用い、高性能の断熱材と気密材を使用することで最新の省エネルギー基準に合致する断熱、気密、遮熱性能を確保しています。全館LED照明をはじめ、高効率低温型の温水式床暖房の採用など消費エネルギーの低減にも努めています。