敷地は奥様の実家の一部を分けてもらい、奥に竹の小さな竹林、手前には小さな川が流れていました。カサカサ・ポチャポチャ・・・、桃畑の中のちょっとした高台です、夜には甲府盆地の夜景が2階から見えます。薪ストーブを使ったのは実家が桃農家で剪定した木も利用しようとしたからです。
色んな好みを確認していたところ、建物(各部屋のイメージを)選曲した音楽で聞かせてもらいました、初めて音楽を聞きながらイメージをしてプランをしていました。未経験の事で面白かったです。少しノスタルジックな物が好みのようでしたので、外壁に焼き杉を使ったのも昔の工法で炭化する事での耐水性が向上する、瓦・レンガも燻された事によりあの美しい銀色が出来上がるという有機的な工夫が興味深いと選びました、杉板の床板は傷は付くけどもろともしない、朴訥でもどっしりした形体の材料を選び、県産のヒノキの柱などを使い、より地域性を感じられる事に思いを込めました。日本的だけれども、新しい解釈を表現してみようと思い、施主さんは「なぞるではなく、地球を一周してからまたそこに降り立った物」と表現して下さいました。 建物を出来るだけ機械に頼らず快適な生活を出来る様に工夫しました、外壁をシラスのそとん壁で内壁の多くを漆喰で仕上げて外~内への通湿もその一つです。 色んな事が盛り沢山ですが一番強く思っていた事は奥さんが言った言葉で「素朴な家」です。 私はその言葉に密かに「素朴でゆたかな家」をテーマに取り組みました。
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