敷地は、善通寺にほど近くに位置し、畑に囲まれた場所である。
そのため、周りに高い建物はなく、飯野山が日常に馴染んでいる。
この風景を壊すことなく、この場所に馴染む建物を計画したいと思った。
建物は、平屋建て。構成は、大きなリビングと寝室、二つを繋ぐテラス。
テラスからは、両方の部屋が見渡せるように、部屋を繋ぐ役割を持たせた。
玄関からは、ゲストを迎えた際に、目の前のテラスとその先の景色を望むことができる。
屋根は、ゆるやかにカーブし、飯野山をイメージした屋根形状とした。
起伏している屋根のもっとも高い部分をテラスとし、東側の日差しと外の風景を取り入れる計画とした。
夫婦は、テラスで夜風を感じながら、二人の時間を過ごしているそうだ。
テラスが、部屋と部屋を繋ぐ役割のほかに、屋外を取り入れる役割を持ち、さらに屋内と変わらない活動ができる場所になった。
使い方や関係性により、新しい役割を持つことができた。
この敷地は農地転用敷地で、それは今まで農業用敷地として使われていた場所を人が住むための場所に変える行為。地域の風景を大きく変えることでもあり、近くに住む人々やこの場所を利用する人にとっても、影響を与える行為でもある。
住宅という単位でも、その土地の人の営み、風土、文化との関係を考える必要がある。
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