90歳になる母と60代の息子夫婦が住む二世帯住宅の建替えである。
永年慣れ親しんだ生活の記憶を変えずに近い将来世代交代が可能な住まい方を提案して欲しいとのことだった。
思い出深い敷地内の樹木をなるべく残し再移植した。こうすることで住まいは新しくなっても戸惑うことなく記憶のバトンを接げると考えたからである。一方、趣味のお茶をできる和室を新たに望まれていたため、客室を兼ねた茶室を一階に設けそこを世帯間の干渉帯としている。
現在は内部で行き来できる構造になっているが、将来的に独立二世帯となるように動線や水廻りなどが計画されている。