隣接する雑木林に対して呼応するように、曲がりくねった平面を持つ平屋住宅。計画地は、隣地に雑木林の広がる自然あふれる良好な敷地でした。また敷地は、雑木林に沿ってくねくねと変形する特殊な形状の敷地でした。このような敷地条件を積極的に活かし、建物を作ろうと考えました。
くねくねとした変形敷地の上に、矩形のかちっとした形の建物を建ち上げては、この環境からは浮き立ってしまう。そのように考え、雑木林と呼応するような、くねくねとした平面を採用しています。家の中のあるところでは雑木林に近づいたり、あるところでは雑木林と離れたりと、室内に居ながら、まるで雑木林の中を歩いているような感覚になります。また、雑木林を借景として室内に取り入れるため、雑木林の見える距離や角度によって、異なる大きさの窓を設け、緑をフレーミングしたり、空間的に繋げたりと、雑木林の様々な表情が見れる工夫をしています。
この住宅の並びには、黒塀で有名な旧家が建っていました。その建物に敬意を払い、黒塀と同様の黒く着色した杉板貼りの外壁を採用しています。緑の雑木林を背景に、黒い外壁が上手く馴染み、周囲の街並みに溶け込んでいます。この住宅が建ったことを皮切りに、なぜか周囲の建物の外壁も自然と黒色に統一され、今では統一感のある街並みが形成されつつあります。
窓の外に見える雑木林は、季節とともに日々刻々と表情を変えていきます。四季の移り変わりを楽しみながら過ごす家。
隣接する雑木林を見るための様々な工夫
屋根構造材をそのまま表しに
コンパクトながら機能的な空間構成
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