山裾に建つ小さな住宅です。季節とともに刻々と変化していく自然を感じ、ゆっくりとこの場所で過ごしたいという施主の言葉から想像力を働かせ、設計を進めました。
建物を2棟に分け、少し角度をつけることで、豊かな外部環境を様々な方向から室内に引き込もうと考えました。棟の間から玄関へアプローチしていくと、玄関を通して中庭と自然の景色が目に入ってきます。
玄関を入って左手には、明るく開放的な平屋のパブリック棟、右手には寝室や浴室が納まる落ち着いた雰囲気のプライベート棟をそれぞれ配置し、時間や季節、その時の気分によって選べる居場所を設けました。角度の異なるそれぞれの部屋の窓からは、同じ建物でありながら異なる外の景色を楽しむことが出来ます。
また、越後杉の丸太から挽き出した板を、製材した順に並べて張った天井や手斧(ちょうな)で仕上げた独特の質感の柱など、現代では無駄とされ、少なくなってしまった作り手の粋な遊びを至る所に配置し、空間に豊かさを与えました。
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