北海道らしい広大な敷地に建つ専用住宅で、指名コンペが行われ選ばれた。
開拓以来住み続ける土地で、元々敷地内の目立たないところにあった樹齢100年を超える桜の木を中心に新しく建物の配置が練られた。周囲は拓け、視界を遮るものは何もない中で、防風林で囲まれたテラスに面するリビングや坪庭を望む岩盤浴付きの浴室、遠くを見渡せる2階のジムエリアや夏に夕陽を望める露天風の浴室、2階のシアタールームからは要となった老木の桜のライトアップを楽しむ。これまで何気に見えていたものを季節、昼夜、遠近と目的に合わせて慎重に絞っていった。いつでもひとが出入りして飽くことなく楽しめるようにとの要望に、庭にはBBQテラスやドッグラン、農作業用の物置棟があり、水盤の流れがここを特別な場所にしている。元々あった道路から入る2つのアプローチは敷地内でつないで車回しができるようになり、その間にはサインを兼ねたコールテン鋼の無垢板を地中から衝立てた。別棟のコンクリート造の車庫棟には車4台分のスペースと住宅には珍しい整備用カーリフトが備わっている。