敷地は神戸市北区・郊外の市街化調整区域内にある。
近くに小山の連なりが見え、古くからの集落の一角に位置している。
設計の当初、クライアントからの要望に、「集落の中の家並みを大きく崩さない」と言った事があった。また、周辺には田園が広がり、視界を遮る物は少なく、近隣からのプライバシー確保も望まれた。
外観は2つの棟が並行に配置され、その間を渡り廊下と中庭が繋ぐ構成。南側の棟を平屋として高さを抑え、北側の棟の1階に太陽光をもたらす。中庭は道路からの打ち放し塀と、木製格子で視線をカットし、落ち着きの有る外部空間を計画した。建物には2つの中庭がある。リビングに開かれた中庭と、台所、水周りに繋がる中庭で、それぞれ内部空間に視覚的・機能的に広がりを与えている。
建築の色彩は黒をベースにしている。外部は外壁や中庭のウッドデッキ、内部は外部に面する壁は黒としている。それ以外の内部の間仕切壁は白とし、外部に使用する黒の色を強調し、建物の構成を視覚的に明快にした。
また、2階の切妻屋根は外壁の上に板状に置かれただけの軽い印象である。屋根の妻側に出来る三角形の壁を、ガラスとした。その形が内部にも連続し、内部空間に伸びやかさを与えている。
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