ふたつの住棟を渡り廊下でつないだ二世帯住宅です。
親世帯 子世帯の好みに合わせた二つの住宅が 材料・形態・
色調によって対比されながらも 適度にとられた外部スペース
の間合いと 室内を見通しながら 庭から庭へとつながる場面
の連続によって「緩やかな全体性」を確保しています。
小さな農機具小屋に愛着を持つ父親の感性が この設計の出
発点です。 シンプルな素材と形態 それらのエッセンスを感
じることのできる内外の適度なスケールが 古木の松ミカンや
イチジクの果樹 日差しや 雨や雪 風と相俟って庭先 -ニワ
サキ- に集う「家・庭の風景」を紡ぎ出す背景となっています。
住宅に備わる「緩やかな全体性」と「家・庭の風景」がコミ
ュニケーションの回復 生活と環境のバランス まちなみの形
成 住文化の継承といった包括的な問題を建築デザインの立場
から解決する一助となりうると考えています。「成長」という
時間のファクターによって 序々に達成されることです。
建築を構成する素材として 全てにおいてとは行かないまで
も 多くの箇所に県産の自然素材を使用しています。 構造材
(梁柱)に杉 床フローリングに能登ヒバ 土間に珪藻土と粉
砕瓦 外壁に杉下見板 内壁に珪藻土と和紙屋根に小松瓦 軒
裏に杉野地板等を用い 健康な住まいを目指しています。また
プレカット加工ではなく 大工職人による在来の伝統的木造加
工にこだわり 一般住宅においても 木組みによる本来の大工
技術を継承したいと考えています。
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