柱を帯状の壁で囲うことで、小さな家をつくりました。
帯状の壁は、部屋を囲いとりながら、その隙間から、隣の部屋の様子やその先の景色を透かし入れます。
それは、例えば、木立を帯で囲ったときのような状態です。
帯で囲われた木立のなかには、手前側や向こう側、さらにその向こう側といった、沢山の場所が生まれます。
そして、まるで、それらが詰め込まれたような木立のなかには、何も無いときの木立とは、すこし違った広がり感が生まれます。
いくつかの囲いからなる小さな家の小さな部屋。その先に広がる、空や雲やレンゲの咲く田んぼといった印象的な風景。
それらが混じり合い、一層豊かに、一層大きな広がりの感じられる、そんな家をつくろうと考えました。
新建築 住宅特集 2010年 2月号 掲載
グッドデザインアワード2009 グッドデザイン賞受賞
写真撮影 多田ユウコ
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