既存のクリニックに道路をはさんで隣接する調剤薬局の計画だ。
敷地は郊外の市街化調整区域で、南側には幹線道路が通り、駐車場・調剤薬局・住宅の順に配置されることが前提であった。
駐車場と調剤薬局の間には高さ1m程の段差があり、駐車場の安全性や法規を考慮して段差部分には頑丈な塀をたてることを求められた。
また調剤薬局と住宅の間には、住宅へのプライバシーの配慮から高さ1.8m程の塀を建てることとした。
隣接するクリニックは、広葉樹に囲まれ、冬には大量の落ち葉が周辺に落ちる。
このような周辺の状況から、屋根は落ち葉がたまらないようシンプルで大きな切り妻屋根とし、建物全体を家型のボリュームとしてデザインした。
そして、南北の壁面に開口を設けるよりは、屋根面にトップライトを設けることで採光・通風を確保する事が自然に思われた。トップライトは夏場の直射日光に対する懸念から、切り妻屋根の北側に複数設けることとした。
複数のトップライトを設けた北側の大きな屋根面は、開口を開けることで弱くなり、補強が必要となる。調剤室・スタッフルーム・受付・トイレ・洗面室などの諸室を様々なサイズの家型のボリュームとし、これらで、北側の屋根面を補強してくこととした。エントランスや特別待合室も同じように家型で構成し、大小様々な家型のボリュームが入れ子状に集まった構成とした。
野村一級建築士事務所/構造
高松工務店/施工
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