美容室における人と鏡の関係を再考したプロジェクトです。
人の動きや見る角度によって、鏡の存在が消えたり現れたりして、鏡自体によって新鮮な空間体験を作り出すことを考えました。
露出された既存建物の梁中心に鏡を配置し、そこから凹凸のある既存壁と対称になるように新規壁の位置やかたちが慎重に決められています。
その結果、鏡に映る像と奥に実際に見えている風景がひとつに連続し、ひとつながりになった風景は、ある瞬間、鏡がそこに存在していないかのような錯覚を感じさせます。
椅子がぽつんと置かれた、がらんどうのように見える空間に、人が訪れることで鏡の存在が浮かび上がり、人がいなくなると鏡は消え、また元のがらんどうの空間に戻ります。
ある視点を発見した瞬間、すべての景色が変わってしまうような、豊かで、特別な瞬間をつくるための装置として計画されました。
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