本来「住まい」とは住まい手の嗜好が色濃く反映されるものだと思います。集合住宅やハウスメ-カ-製の商品化住宅など一見無個性に見える住まいも、住まい手の生活が始まったとたんに様々な家電や小物類、カ-テンや家具などありとあらゆるものが住まい手の嗜好に傾いた趣のもので彩られた空間に一変してしまいます。DINKSをクライアントとする「hpGarage」は、家族構成のシンプルさも後押しして、その文脈を骨組みから色濃く反映させた、謂わば「住まいの原型」のような建築です。自動車と乗馬を趣味とし、アートディレクタ-という職業柄蔵書も多いクライアントの要望は明快で、それらを生活空間の中に同化させる事が要望されました。1階平面は大きく3分割され、中央にL/D/K、左右にインナ-ガレ-ジと中庭を配した構成です。それぞれは核となるL/D/Kと透明なガラスで仕切られてはいますが、生活空間の中に趣味である自動車が日常の同居人というスタンスで介在するように意図されています。2階はアトリエと主寝室とウォ-クインクロ-ゼットというシンプルな構成で、天井を高く設定した1階L/D/Kと開口部で繋げる事により、大きなワンル-ム的な空間でありながらも、それぞれの機能が確立できるように構成されています。
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