海に近く平坦に開けた敷地。
さえぎるものが無く太陽光や強い風にさらされる厳しい環境に、
簡易な設えでサスティナブルな住宅をつくる方法を模索したプロジェクトです。
キャンプ場でタープを張ると雨天だけでなく晴天時も便利だったことから、
「タープが作る日かげ」と「快適なエリア」の相関性に注目し、
太陽の動きと共に『屋根と床』の関係を根本から見直すことにしました。
最終的にはコンピューターで太陽の年間軌道を追跡し、
動く影の範囲を逆算していくように室内の範囲を決定しています。
必要な日照を大きな屋根が季節に合わせて調整し、
『冬季はいつも日なた・夏季はいつも日かげ』となる室内を作り出します。
・庭と室内の中間的な環境をつくる深い庇が日照量をコントロールする。
・雨や風を受け流す屋根の勾配が換気を促すハイサイドの開口を作る。
・屋根を支えている薄肉の梁は壁化し、背面収納の仕切りとなって住い易さを作り上げる。
・プライバシーを守るべき浴室をコンクリートの壁で作って耐震性を高め、
空間の合間に置いて寝室を分節して作る。
・引戸を開け放つと、タープ下にいるような爽風が抜ける場所となる。
建築を構成する一つ一つのエレメントが互いに補い相いながら、
住宅に望まれる様々な役目を静かに担っていく、、
そんな住宅を目指しました。
コンピューターによる日照の解析を行って最適な屋根形状を見出しました。
結果、深い庇が必要な太陽光をコントロールすることから、
冬暖かく・夏涼しい、エネルギー消費の少ないサスティナブルな住宅となっています。
コンピューターによる年間の日照解析を行い、最適な屋根形状を見出しました。模型を幾つも作ったり、最新の3次元ソフトを使ったりとデジタルとアナログを織り交ぜながら丁寧に設計しています。
川崎の北部にある弊社から、いすみ市の現場までアクアライン・圏央道経由で1.5時間程。景色も良くて工事監理にいくドライブを毎回楽しんでいました。急行もあって都心に通うことも出来る距離感なのに、土地の値段はとてもお買い得です。外房方面は週末住宅を持つのに適した環境だと感じました。