都市公園の中に建つテニスクラブハウスです。
求められた諸室は更衣・シャワー、研修室・倉庫、便所、ラウンジ等でしたが、プライバシーを強く求められる機能の中で、唯一開放的なラウンジ空間をテニスコートのある外部空間といかに繋ぐかが設計上の大きなテーマとなりました。このクラブハウスに求められた諸室を機能の近いもの同士でグルーピングし、「田の字型」プランに明快にまとめ、更にラウンジを斜めに変形させてカーテンウォールで覆い、大きな軒下空間を作り出しました。この軒下空間の中間領域を設定することにより、「内部空間としてのラウンジ」-「中間領域としての軒下空間」-「外部空間としてのテニスコート」の連続性を確保しようと試みました。更に、その屋根部分に開口部を穿ち、直下にシンボルツリーを植え、外部と内部の境界を意図的に曖昧にすることにより、空間の連続性を強調しました。
また、クライアントから「軽い屋根」の表現を求められたことを契機に、屋根と壁を全く分離した構造形式を提案しました。これは、プライバシーを強く求められる諸室にも充分な採光を確保でき、居心地のよい内部空間を実現できました。 クラブハウスの屋根は緩やかな片勾配を有し、公園側の軒は低く押さえられ、控えめな存在となります。また、テニスコート側には大きく開いた形となり、弧を描く天井の形態とも相まって、存在感の強い形態となりました。
2004年にはインターハイが行われました。更に、2010年には国体のテニス会場となります。
受賞:平成17年度日事連建築賞奨励賞受賞
雑誌等掲載:月刊「体育施設」2004年11月号(体育施設出版)
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