茨城県大津町五浦に建つ個人住宅。
通常の目線よりも高い位置の敷地
目線の先は広大な海が広がる。
海と山の自然豊かな恵みを受けている
この地に『五浦の家』は完成した。
最大の特徴は山の斜面となる敷地。
この敷地を活かす方法は沢山あるが、
今回選んだ方法は、地元に慣れ親しんできた地形を生かすこと。
山の地形に寄り添うように家の中心部を山に接する部分とし、
そこから左右、Vの字に広げ、
3点の木の柱を大地に根付かせた。
一見奇抜に見える部分もあるが、
この方法を選択することで、山を自然に戻す
ストーリーが生まれる。
建築そのものはとてもシンプル。
素材の構成を山と同じ『木』をメインとした。
自然の景観に溶け込むように、
『木』素材をふんだんに使用し
地元の方に馴染みのある風景を壊す事なく
自然との共存生活を目指した。
昔からの景観を損なわず、
むしろまた山の自然形態に戻すことを重視し、
伐採した分の木を植える。
この住宅は、建築的な部分は完成としたが、
実際の完成とは、自然環境が元に戻り
住宅自体が森に囲まれ姿を隠した時が
本当の完成になると考えている。