1.お施主さんが重視したポイント
*家族6人が楽しく平穏に暮らせる家、みんなの気配が感じられ、暖かみがある家
*リビングダイニングを中心とした明るく開放的な空間
*空の色、雨の音、心地よい風、冬の陽光など時間の移ろいが分かる住まい
*フレキシブルなプランニングとシンプルな飽きの来ないデザイン
2.設計の解答
敷地は新しい分譲住宅地内にあり、設計当初はおおよそ200区画のほとんどが空き地でした。その後、大手ハウスメーカー等による建て売り住宅が立ち上がり、あっという間に何処にでもある住宅地になってきました。この敷地の両隣、それと北側の土地もしばらく空いたままでしが、この家の竣工間際になって大手ハウスメーカーの設計施工で工事が始まりました。
この個性の少ない環境、敷地条件でどのようなプランニングとデザインをすべきか…正直しばらく悩みました。また周囲の家がまだ計画されていない状況で、配置やアプローチ、窓や玄関、庭などの位置、プライバシーをどう確保し、どのように計画するかなど考察を重ねました。
思案の中で、この家の子ども達に「イメージする我が家」を自由に絵にしてもらいました。
犬がいる広い庭とバルコニー、リビングから屋根の上に上がれる階段、その屋根を介して空が見えること…。
この様なヒントを子ども達から得て、また東側以外は高層の建物などが無く、特に西側は抜けていて綺麗な夕日が見えることを生かすことを検討しました。
そして繋がる空間と夕日を楽しむスッキリあったかデザインの家の構想がまとまりました。
その解は、東側遠方に高層マンションの視線を遮ることとし、周囲の家からの視線も気にせず暮らせることを目的として、南西からのハイサイドの窓を設けました。
家の中心となるリビングダイニングは2階に計画し、外側の外壁にはあまり窓を設けずに、半屋外的なテラスに面して大きな開口を設けました。このLDKとテラスが連続し、柔らかい陽光がハイサイド窓から差し込み、明るく開放的なプランを可能にしました。
1階は個室や水回り等を配置し、プライバシーや防犯を考慮して窓開口は通風を目的に小さく最小限にしました。日中も在宅の多い母親の室は1階南側に配置し、全面に中庭を設けて内外一体的な利用を提案しました。
目を引くような外観ではありませんが、白を基調としたあったかすっきりデザインの家です。
玄関に入ると吹き抜けと階段、リビングダイニングと繋がります。「ただいま〜」「お帰り〜」と賑やかな暮らし。梯子階段を登ると青空の下、芝生の緑がまぶしい屋根に続きます。家族みんなの笑顔が絶えず、温もりのある住まいができました。
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