緑と海、心地よい風の抜ける葉山の敷地に建てられたのは、夫婦と子供二人のための住宅である。求められたのは、どこにいても家族の気配を感じながら、のびやかに暮らせる天然住宅。
大きな吹き抜けをつくり、そこを介してリビングや二階の読書スペースからは神社の緑を楽しむ事ができ、この吹抜けで家族の気配がつながり、風が抜け、空からは光が差し込む。
玄関からは、この吹抜け越しに空を望むことができる。また夫婦は子供部屋をつくるのではなく、大きな空間の中に夫婦二人の主寝室をつくり、夜はそこに夫婦がこもることでその他のスペースを子供たちに自由に開放できる、そんな空間を望んだ。
材料はご主人のお兄様の働く三重県の材木店より運ばれた。構造材はプレカットをせず、手刻みにて加工された。柱や梁、一本一本に大工の想いが刻まれたこの家を、30年40年後、ご主人がその良さを誰かに語っている事を期待している。
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