本格的な修理やメンテナンスができるビルトインガレージ。シンボルツリーがそびえる吹き抜けのカフェスペース。夫婦の夢をかたちにした住まい。
text_ Naoko Takahashi photograph_ Takuya Furusue
tonericoのいえ
(愛知県日進市)
- 設計
- 我山良生(アーキガレージ設計事務所)
- 施工
- ウッド・アート・スタジオ株式会社
- 住人データ
- 夫(39歳)設計士、妻(38歳)主婦
外観の焼杉とガラスの対比が印象的な木造2階建て。その1階には車やバイクいじりを長年の趣味とする我山良生さんのビルトインガレージがある。学生時代からドライブやツーリングはもちろん、メンテナンスも自分でしていたほど夢中だったという。
結婚後はマンション住まいだったので、車との生活を思う存分楽しむことができませんでした。だから、いつかは広いガレージ付きの一戸建てを建てて、好きなだけ車と向き合って過ごしたいと思っていました(良生さん)
家づくりは土地探しからスタート。料理好きな奥さまの愛さんが新居でカフェを開くことを希望していたため、若いファミリー層が増えている名古屋のベッドタウンに土地を購入した。良生さんも自宅で仕事をすることが多いため、カフェと事務所、住居が一体となった店舗併用住宅を建てることに。
新居の設計は良生さん自らが担当。2階の玄関へ通じるアプローチを挟んで片側をカフェ&事務所、もう一方を住居スペースに充てた。住居側は1階にビルトインガレージと寝室、予備室、2階にLDKと水まわり。全面開口にしたリビングには部屋と一体となるバルコニーを設置。バスコート付きの浴室もあり、外の景色を楽しめる開放的なプランが魅力だ。
床や壁の仕上げには自然素材を取り入れた。LDKの床はブラックチェリーの無垢フローリング、壁は漆喰や焼杉を使用。年を重ねるごとに深まる風合いを楽しんでいる。
念願のガレージには、愛車のローバーミニとバイクが2台。駐車場にはボルボのステーションワゴンも。
休日は一日中ガレージで車やバイクをいじっていることもあります
と嬉しそうに話す良生さん。天井にはバイクを吊り下げてメンテナンスできるようにチェーンブロックを取り付けるなど、かなり本格的だ。
吹き抜けのカフェスペース(オープンに向けて工事中)には、中央にシマトネリコがそびえ立つ。屋外で過ごすような、緑に囲まれた空間にしたいという思いから、室内にシンボルツリーを植える試みに挑戦した。
ひとつ屋根の下に、夫婦それぞれの趣味やライフワークをとことん取り込んだ家づくり。好きなことを楽しむ豊かな時間が、10年後も20年後も脈々と続いて行くことだろう。
専門家プロフィール
1977年 愛知県生まれ。98年 豊田工業高等専門学校卒業後、設計事務所、ゼネコンにて個人住宅・マンションの設計に携わる。2008年 アーキガレージ設計事務所入社。趣味は車、バイク、自転車、旅、登山、スノーボード、カメラなど。
アーキガレージ設計事務所
- 住所
- 愛知県日進市米野木町南荒田43・4
- TEL
- 0561・73・0788
- FAX
- 0561・73・0755
- info@archi-garage.com
- URL
- http://archi-garage.com/
ウッド・アート・スタジオ株式会社
- 住所
- 愛知県岡崎市鴨田南町2・15
- TEL
- 0564・73・2377
- FAX
- 0564・21・3623
- info@morinotakumi.com
- URL
- https://www.morinotakumi.com
〈物件名〉tonericoのいえ〈所在地〉愛知県日進市〈居住者構成〉夫婦+犬一匹〈用途地域〉市街化調整区域〈建物規模〉地上2階建て〈主要構造〉木造〈敷地面積〉300.86㎡〈建築面積〉96.06㎡〈床面積〉1階 60.09㎡、2階 59.26㎡、合計 119.35㎡〈建蔽率〉31.93%(許容60%)〈容積率〉39.67%(許容200%)〈設計〉我山良生(アーキガレージ設計事務所)〈施工〉ウッド・アート・スタジオ株式会社〈設計期間〉8ヶ月〈工事期間〉8ヶ月〈竣工〉2014年
※この記事はLiVES Vol.89に掲載されたものを転載しています。
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