岩手県盛岡市にある築25年になるマンションの一室の改修。
数年前に子供達が独立し二人暮らしになった夫婦の老後を見据えての改修計画である。
夫婦からの希望は、二人の趣味であるダンスの練習を家でしたいということであった。
水廻りの位置は改修以前の場所から移動せず、それ以外の部屋の間仕切りは解体して大きなワンルームへと作り直した。リビングと寝室との間にある軽い建具を開ければ広々とダンスの練習ができる。
元々あった床の段差を最小限に減らし、フラットに揃えると同時に防音材を施しダンスの練習をする際の騒音対策とした。床同様にバラバラだった天井レベルも2250mmと空間の重心を低く抑えた。
また、細切れになった部屋をワンルームの空間としたことで、風通しが良くなり結露やカビの問題も解消された。
長年使い続けた家具と照明、籠や陶器など、家族と共に過ごして来たモノ・時間に新しい空間が寄り添うようにしたいと考えた。
村上建築工舎