ご主人は京都の出身。奥さんは東京で、実家が都内にあった。建て直して二世帯が一緒に住むことになった。
建て替え前、若夫婦の住まいは三丁目にあった。よって実家を「四丁目の家」と呼んでいたのだ。東京に「四丁目の家」は数あれど、家族にとってはここだけ。竣工すれば、この呼び名は無くなるかもしれない。
敷地は150㎡強の50坪弱。道路は南側で、間口も広い。道路幅こそ4mだが、都内としては大変恵まれている条件と言える。
1階に親世帯、2階に若夫婦世帯。浴室は共用するが、2階にシャワー室を備えた。若夫婦の帰りが遅くなった時の、1階への配慮からである。
「広いバルコニーで、思いっきり洗濯物を干したい」これが奥さんの要望だった。2階南面の奥行1.4m、間口11.5m全てをバルコニーとし、大屋根を伸ばした。
その平面はひしゃく状とし、広くなった部分は屋根をかけず開口とした。空を見上げたり、時にはここにテントを張ったりという光景をイメージしている。
バルコニーの大部分はグレーチング素材とし、1階へも光を落としている。
2階LDKは18畳ほどある1室空間だが、隣接する子供部屋から、ウンテイが貫かれている。室内側のみスペクトルの塗装を施しており、バルコニーへと続く。家の中で体を使って遊べるよう考えたものっだ。