間口4.5M、奥行き23Mの狭小細長敷地である。1階を事務所、2階を一戸の住居、3階〜5階をオーナーの住居とした事務所付き集合住宅の形式をとっている。
最大のテーマは都心のこの細長い敷地でどのようにして居住性を高めるかである。具体的には天井高を変化させたり、吹抜けを設けて断面的な広がりをもたせることで対応している。住人が室から室へ移動するなかで天井高は変化していき、上部或いは下部に抜けた空間に出会う。そうすることによって平面的な知覚よりも断面的な知覚体験が優先され敷地形状を意識させない効果をねらっている。また周辺の環境を遮断し居住性を高めるために南側バルコニー前面に壁と木製のルーバー(不燃認定品)を設けて外部との結界を作っている。ルーバー間隔は各床から2M程は密にして路上からの視線を遮り、上部にいくほど粗にして十分な陽光も確保出来るようにした。また可動式として必要に応じて開閉できるようにもなっている。木のルーバーのグラデーションと白い壁が、幹線道路沿いに柔らかい表情を与えている。
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