敷地は琵琶湖西岸に連なる比良山地の麓。初めて敷地に訪れたとき雑木林の木漏れ日が地面に美しい影を描いていた。道路から北向きに斜面を敷地奥に行くほどに自然との距離が近くなり、手を伸ばせば緑を掴めるようなこの環境を活かしたいと思った。最も気持ちのよい場所に2層吹抜けの主室(リビング・ダイニング・キッチン)を配して、どの部屋からも自然が感じられるように各室(洗面、書斎、寝室)を立体的に計画した。北向きに開いた開口部からは南の光を浴びて輝く緑を楽しむことができる。敷地で最初に感じた気持ちのよい自然を建築によって顕在化することができたのではないかと思う。
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