深大寺の家

敷地は、宅地開発されたばかりの広大な土地の1区画。夫婦と子供、家族3人で住まう木造2階建ての住宅です。
はじめて敷地を訪れた際、辺り一帯はすでに整地され建売りのノボリがなびいていた。しかし計画地はその切れ端部分にあたり、歪な菱形の土地形状となっていたため建売業者が手をつけず、ポツンと残っていた。近い将来、同じタイプの建売りに取囲まれてしまうだろう、この敷地。しかし道路を挟んだ向こう側に、大きな木が何本も植わっている庭のある古いお屋敷が残っていた。
先ずは、この緑豊かな景色を住まいに上手く取り込めないかと設計が始まった。
変形した菱形の敷地、建物も敷地ラインに沿わせ変形させ、南側に庭を取り込むように配置した。屋根も傾斜しているため、直角部分が少なく、平面断面とも微妙な角度がついた内部空間となった。見る方向によって、開いてゆくような空間やパースのように収束してゆく空間、それらを利用し住まいに奥行き与えることとした。そして外部からの視線を避け、隣家との隙間や高い位置を狙い、そこから廻りの風景、光や風を取り込むように開口部を設けた

光風舎1級建築士事務所

吉原健一 ＋宮本恵美子

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