この敷地は名古屋市東山線覚王山駅から徒歩で約10分の閉静な高級住宅街にある分譲地3区画の中の一つです。クライアントは若いカップルで、コストを抑えた、おしゃれで温かみが有る住宅設計を望んでいる設定です。一階は寝室・ライブラリー・水廻りを設けて、二階には生活の中心となる、部屋も細かくしきらず、広々とした、伸びやかなワンルーム感覚のLDKと作りました。キッチン・冷蔵庫・収納など、壁に埋め込むことによってよりスッキリとした空間を確保しました。二階の空間を特徴づけるのは、高さ約5メートルの尖り天井です。 一部の空を切り取ったような天窓から光が差し込み、空へと解放された空間となっており、シンプルで豊かなリビング空間が生まれています。
1Fと2Fの北と南の面は、壁一面を本棚でカバーすることによって、大量の収納を確保しつつ,構造的な役割もしています。 通常、本や物を大量に収納すると、圧迫感が有りますが、一部本棚のモジュールを大きくしたり、ベンチシートがある大きな窓を設けることによって, 圧迫感を減らして風景と一体化感のある、開放的な空間になるように工夫しました。この大きな窓の配列は、ファサードにリズムや遊びを追加すると同時に、窓に外の風景が反射することにより、まるで大型スクリーン映像を見ているかのように、住む人を楽しまてくれます。 キッチンにも大きな窓を設けることにより, 光が差し込み明るく照らすことで、自然に家族が集まってくるようなキッチンにしました。
床、建具、家具などは同じ自然素材を使用することにより、統一感を持たせるだけではなく, 暖かみがある空間をさらに印象付けれるよう工夫しました。外壁はただ白にするのではなくwhite fiber cement boardを使うことによってファサードに動きを与えるためではなく、施工性、耐久性、メンテナンス性も考慮しました。コスト面ではプランや素材の使い方を合理的に考えることなどで、折り合いをつけています。水廻り、収納、階段などのスペースを部屋の中央に配置することで、プライベート(寝室)、セミプライベート(ライブラリー)といったゾーニングが簡単にできるように工夫しました。そのため、将来の家族構成が変化しても、柔軟な対応が出来るプランになっています。
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