札幌市の郊外に建つ住宅。お施主様は始め建売り住宅で検討しておられたが、一般的な4間四方総2階の中で、ゼロから作るとどのような違いが生まれるのかと相談に来られた。予算の制限がある中で、この15年北海道の家に普遍的に必要だと感じてきたものをお施主様の要望とともに落とし込んでいった。
北海道で一戸建てに住むということは、誰しも冬暖かく、春ジンギスカンを楽しめ、小さくとも室内に洗濯物が干せる家事室があり、冬のための広めの玄関土間と、車庫には屋根がかかり、雪掻きが極力少なく済むことを願うのではなかろうか。
この家にはそれらの要素に加え、開閉によってテラスになったり、サンルームになったりする部屋がある。庭続きのテラスとして利用することも、冬に熱を溜めて室内に取り込むこともできるこの部屋は、暖房の行き届いた北海道の家に、新しい生活の幅を広げる狙いがある。
外観を特徴づける屋根からせり出した庇は、車庫を別棟で建てる予算を軽減しつつ、除雪の負担を軽くしている。