日本は世界的に見ても日射量が多い国で、冬でもロンドンに比べて東京は4倍、曇天と雪の多い日本海側で2倍程度と言われています。一年を通して快適な採光を得るために、どこから太陽の光を取り入れるかが重要です。今回は、「光」を上手に取り入れる間取りとインテリアのアイデアをご紹介します。
北側、東側でも大丈夫!“高い位置”に窓をつくる
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南側に隣家や道路がある人にとってはプライバシーの不安から、大胆な窓を設けるのは難しいという声も。その場合は東や北側に、壁の高い位置にある窓(ハイサイドライト)を設けて、高い視点から光を落とすことで、周辺環境の眺めも気にせず、部屋に明るさと暖かさを取り入れることができます。
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こちらも、壁の高い位置に窓をつくった例。採光の観点からだけではなく、まるで空を切り取ったような景色を見ることができるのも魅力の一つ。星が綺麗な夜には、部屋の電気を消してキャンドルナイトを楽しむよさそうです。
落ちた光を、中庭で取り込む
中庭は、プライベートな空間でありながら、採光や風通しを得ることができます。採光のための中庭をライトコートと呼びますが、目隠しや塀の設置など隣家との境を気にしなくてよいので、思い切った自由な造りを考えることができます。シンボルツリーをひとつ添えれば、四季の移り変わりを感じることもできますね。
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こちらは、ややオープンな「コ」の字型の中庭。中央をくり貫いたような中庭より窓や壁が少なくて済み、 周りの環境によって開口する側を決められます。また、それにあわせてよく使う部屋の配置を、南や東向きに設計することも可能です。
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さらに、中庭に落ちた光の跳ね返りを利用して地窓を設ければ、間接照明のような優しい光が足元を照らしてくれます。このような間取りは和室などの落ち着いた空間に多く、対面に高窓をセットにすると、涼しい空気が下から入 り、暖かい空気が上から抜けていく空気の通り道ができます。
インナーバルコニーで光を室内へ届ける
こちらは、ベランダとは少し違う、多様な使いかたができるインナーバルコニー。バルコニー部分が建物の内側に引っ込んでいる形状のものですが、通常のベランダよりも奥行きがとりやすく、屋根が深くかかっているのが大きな特徴。
テーブルや椅子を置いてリビングの延長として使うのはもちろん、間取り次第では、2Fのインナーバルコニーからの光を1Fにまで届けることもできます。
ただし、隣接する部屋への採光は遮られることもあるので、間取りはしっかりと検討する必要があります。
開放的な吹き抜けで、隅々まで明るく
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こちらは、隣接する住宅が近いため、吹き抜けによって採光を確保した例。階段も天板のみになっていて、階段下まで光が届くよう設計されています。
天窓の工夫で、柔らかな光を取り入れる
限られた敷地条件のなかでもひと工夫できるのが、屋根。いわゆる天窓ですが、屋根のどの部分を天窓として使うかによって、さまざまな光の取り入れ方が実現できそうです。
こちらの事例は、左右の天窓から光を取り込んで、小屋裏空間で柔らかな光にかえて、その光が室内にも届いています。
いかがでしたか?
日光をたくさん取り込んで、快適に過ごせたらいいですね。
南向きでないなど、いろいろな制限があるかもしれませんが、間取りや窓の配置などを考えてみてはいかがでしょうか。
Text SuMiKa編集部
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