要望は、庭を楽しめること、良好な室内環境、十分な収納、でした。
ここでは通気工法の外殻を建蔽率、容積率目一杯のヴォリュームとして用意しました。この内壁側は壁天井の三方を呼吸する月桃紙で柔らかく包み込みました。
次に庭と駐車場を確保するために階段ホールを境に南北にずらし、大きな床下収納を確保するため階段ホールの西側を持ち上げました。
南北にずらすことで階段ホールをはさんで東西エリアが4方向外気に接することになり採光通風条件が良好になるだけでなく緑豊かな周囲の環境を室内により多く取り込むことが可能になっています。また、西側を持ち上げることで床がスキップし、空間が流れるように、背伸びをするように屋上観月台までつながりました。
平面的断面的な操作は水平垂直の視点の動きを生み、それを受け止める内外の窓を通して周辺環境の断片を絵画のように室内に取り込んでいます。また、空間相互のつながりを意識し、温熱環境を左右する吹き抜けという大仕掛けではなく、ちょっとした段差や隙間、室内窓を通して空間の気配をつなぐ工夫を散りばめました。
収納面でも西側は法定面積に入らない天井高さのスペースを積み重ねることで面積を稼ぐだけでなく通常デッドとなるスペースも有効活用しています。
資料請求にあたっての注意事項